いつから、なんて覚えていない。
気がついた時には既に君は俺の奥底まで
深く深く浸透し、徐々に徐々に棘を溶かし、
生を投げ出さない歯止めと化していた。
一生守り抜きたい存在になっていた。
もう二度とそんな感情は抱かないと、
あれだけ頑なに自縛していたのに。



その変化が俺にとってどれだけの意味を持つのか。
そんなこと、君は意識していないのかもしれないけど。


「剣心、ねえってば。聞いてる?」


ほら、またその瞳で。
俺は今日も、君に落ちる。