「へいらっしゃい!さあさあ、いいのが入ってるよ」
「わあ。見て見て剣心、おいしそうな水蜜桃!」
「お、桃好きかい?お嬢さん」
「大好物です」
「そりゃあいい。これなんかほら、果汁がしたたりそうだろ?」
「見事でござるな」
「どうだい。おまけするから、今晩の食後にでも」
「剣心、私食べたいな」
「一山いただこう」
「まいどあり!お二人さん、新婚さんかい?」
「えっ」
「こんな別嬪さんもらって兄ちゃん、妬けるねぇ」
「はは・・・」
「新妻は水蜜桃より甘いってか?がはは!はいよ、また来てくれな」


「・・・・・」
「剣心。なんか怒ってる?」
「いいや」
「あ、あんな調子いいこと言っちゃって、嫌になっちゃうわよね」
「商売上手なのでござろう」
「それにしてもセクハラ発言だわ。そ・・・そんな関係でもないのに」
「・・・・・」
「・・・・・」


(否定しない。やっぱり私は家主でしかないのかしら・・・/泣)
(参った。この様子じゃまだ触れられそうにないな・・・/溜息)